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地域連携によるアート①1階タペストリー

エントランスのアートワークには、新宿区に工房を構える「富田染工芸」にてタペストリーを染色。
新宿は、京都・金沢と並ぶ日本三大染色産地のひとつ。
東京の染色文化は江戸時代、神田紺屋町から始まったが、神田川流域の都市化が進むにつれ、清流を求め川を遡るように移り変わり、昭和30年代には、新宿区内に300軒を超える染色関連業が集積。
今回のアートワークでは、コンセプトの“NEO”を表現すべく、新宿に受け継がれてきた染色文化を現代風に再解釈し、空間に調和するアートとして表現。
グラフィックは、アーティスト宮入圭太氏作によるもので、街と行き交う人々や、自然をモチーフに新宿の二面性を表現。こちらは、ルームキーのデザインにも使用。

プロフィール
大正3年(1914年)に現在の地に創業した富田染工芸。神田川の清流を求めて、新宿に染色業が根を下ろしてから140年以上にも渡り、東京の染小紋を継承し、江戸小紋・江戸更紗を染めてきました。
古くから継承されてきた伝統の技は、現在では和装だけでなくネクタイやスカーフ、ハンカチなど現代の生活様式にあった作品にも形を変え江戸時代から続く洒落心を今に伝えながら、現代の暮らしに添う染めへと進化を続けています。
コメント
富田染工芸は、1882年に更紗の染工房として設立されたことがその始まりです。
現在も新宿区に工房を持ち、染を続けております。当時より140年あまり受け継がれてきた江戸更紗の技法を用いタペストリー製作を行いました。
江戸更紗の大きな特徴の一つに型紙を用いる点があります。今回も、デザインより型紙を彫り起こす作業から行いました。使用する道具は鹿毛でできた刷毛で、染料を刷毛に染み込ませて生地に何度も擦り付けることで染色します。
鮮やかな色を出すため試し染めを繰り返し、丁寧に染料を塗り重ねることで均一な染め上がりとはっきりした境界が生まれます。また、色を重ねて風合いを出す点も更紗の特徴です。
異なる色が重なり特有の味が生まれている点にどうぞご注目いただければと思います。
この度は、&Here SHINJUKUのエントランスを飾るタペストリーにご協力できたこと、大変光栄に存じます。
140年近く江戸の染を引き継いできた工房として、着物以外でもその技法や受け継がれてきた柄を残せる道はないか模索する中、その伝統技術を生かせる場をいただいたこと、まことに感謝申し上げます。ご覧になられるみなさまに、モダンなデザインの中に見られる、この土地に受け継がれてきた江戸の『粋』を感じていただければ幸いです。
プロフィール
宮入圭太 Keita Miyairi
1974年生まれ 東京都出身の型染作家、染色家。
作品について
男女、大人子ども、人種を超えた多様な人々が笑顔で向き合い、団欒を楽しむ様子を巧みに配置して表現。
色彩が重なり合うことで新たな色が生まれ、鮮やかでカラフルなビジュアルが新宿の賑やかなエネルギーと多様性を想起させます。
青と黒を大胆に組み合わせた都会的な配色で、より洗練された印象を演出。
人々の顔だけでなく、街並みや自然、音楽、そしてお酒などのアイコンを散りばめ、豊かで奥深い新宿の魅力を視覚的に描き出している。
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